Renkon

シャッフルのRenkonのレビュー・感想・評価

シャッフル(1981年製作の映画)
3.0
石井聰互(現岳龍)作品特有の、ジャケのカッコ良さは何なんですかね。
「狂い咲きサンダーロード」とか、この頃の青みがかったモノクロ?みたいなジャケットは、額に入れて飾りたいくらい好き。

大友克洋原作「RUN」の実写作品。
女殺しの罪で警察から逃げる男の逃走劇を描く。

逃走に備え、部屋で頭を刈上げる男。テーブルには拳銃と銃弾。外には張り込みの刑事。
突然部屋を揺らす地震は何かを示唆するものなのか。
拳にテープを巻き、腹にサラシを巻く辺りに、昔のヤンキー漫画の既視感を誘う。
サラシの下に忍ばせる雑誌の中に「近代麻雀」がある辺り堪らない。(この頃だとぎゅわんぶらあ自己中心派が連載されてた頃かな!)

刑事から逃げる男の持久力が凄い。
途中から白昼夢の如く出てくる男の記憶から推測するに、彼は学生時代マラソン選手だったようだ。女子生徒からも結構モテていた?ようだ。
まるで意味のないシーンの様だが、フツーに学生時代を過ごしてきた男が、大人になって警察に追われているという現実はなんとも哀しいものがある。
途中組事務所に入って刑事と銃を向けあうシーンで、後ろに梅辰さんのポスターが張られていたのが個人的にはツボだった。

全編35分間のモノクロが、退廃感を一層引き立てる。
そして最後まで、パンクなエネルギーが迸っていた。
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