若手巡査(池部良)とベテラン巡査(志村喬)が巡回するパトカーが遭遇する数々の小事件と、サスペンスを描いた映画。
山本嘉次郎監督のもとで黒澤明とともに助監督をしていた谷口千吉による監督作品。
クリスマスイブに池部良と志村喬がパトカーで駆け付けるとイタズラ電話、スピード違反、勘違いなどに遭遇して、人と触れ合いながら右往左往するオムニバス形式のほっこりした前半が一転、それらの小事件を伏線として回収しながら地獄のようなサスペンスにつながる。構成からセリフ、オウムやラジコンカーなどの小道具の使い方まで非常に秀逸な脚本だ。
警視庁協力のもと(そんな時代があったのか)、池部良と志村喬の掛け合いや愚痴もリアリティがあり、警官を夫に持つことの苦労などが繊細に描かれている。
ヒロポン漬けになった子どもの役を石橋蓮司が演じているけど、この人は子役時代からこうだったのか(笑)
クレジットにはその谷口の助監督となる岡本喜八監督と長年タッグを組む編集の黒岩義民の名前もある。ちなみに、本作の助監督は『ニッポン無責任時代』の古澤憲吾監督。