Omizu

断崖のOmizuのレビュー・感想・評価

断崖(1941年製作の映画)
2.9
【第14回アカデミー賞 主演女優賞受賞】
ヒッチコック作品で、主演のジョーン・フォンテインはオスカーを獲得。またケイリー・グラントはこれがヒッチコック作品初参加。

影の使い方や終盤の夫が殺そうとしているのか?というサスペンス演出は流石。ジョニーが牛乳を持って階段を上がってくるところ(牛乳に電球を入れて光らせることで毒が入ってるのかという疑惑を演出しているそう)とか、終盤の車の恐怖感などは素晴らしい。

ただ、そこに至るまでがいくらなんでも平板で冗長。ケイリー・グラントがラスト弁解するのだが、彼のキャラクターの積み上げがイマイチないので納得できない。

走り去る車を背後から捉え、リナの肩へ手を伸ばすのだが、やはりジョニーがリナを騙しているのではないかという疑惑が拭えない。

それがもし意図的だとしても中盤までのジョニーの怪しさの積み上げが中途半端になってしまっている。

元々ヒッチコックが監督すると決まる前はB級映画として企画されていたそうなので、まあそれなりの内容な気がする。

ヒッチコック作品の中ではつまらない寄りだと思う。
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