タケオ

M★A★S★H マッシュのタケオのレビュー・感想・評価

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)
3.7
朝鮮戦争下の米陸軍移動外科病院(Mobile Army Surgical Hospital、略してMASH)に配属された軍医のホークアイ(ドナルド・サザーランド)とデューク(トマス•スケリット)は、優秀な外科医ではあるが極端に素行が悪い。赴任の初日は盗んだジープでやって来きて、ブロンドのオフラーハン少佐(サリー•ケラーマン)は下の毛もブロンドなのかどうかの知るために風呂の壁をぶち壊し、鼻持ちならない上官のバーンズ(ロバート•デュヴァル)の夜の営みをスピーカーで基地中に生中継、士官チームとのアメフト試合では相手に麻酔を打ち込むなど、全編に渡って繰り広げられる彼らの悪戯はとにかく無茶苦茶である。だが、もちろん彼らがいるのは戦場の最前線だ。血塗れの兵士が次々と運び込まれ、悪戯を楽しむ彼らの日常は瞬く間に殺伐とした風景へと変貌する。「俺たちは戦争の最前線にいるんだ、正気でいられる奴の方が狂っていやがるぜ」という本作の主張には確かな説得力があり、それを体現する彼らの姿はどこまでも滑稽で、それ故に全てを悟ってしまったかのようにドライなのだ。不条理な戦争の実態を笑い飛ばす、反戦コメディの金字塔。「何故貴方たちのようなオカシな連中が最前線にいるの?」「徴兵されたからですよ」。
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