<概説>
戦時の真っ只中で三馬鹿軍医がやりたい放題。堅物上官に睨まれてもせせら嗤い、セクハラ・ヤク中・ゲートボールと全力で戦場を謳歌する。パルム・ドールをも受賞した名作戦争映画。
<感想>
露骨に笑ったりはできませんでしたが、戦場における秩序の無意味さを嘲笑しているのはよいですね。
今の御時世では戦場に幻想を抱いている方々も散見されますが、ちょっと学習するとんなこたあないのがわかります。
戦場で下士官は現地略奪やら性犯罪やらいくらでも暴走をやらかします。一方の上官が指揮する銃殺刑もいかほどの正当性があったもんやらわかったものではないですし。日本戦史ならばそうしたタテマエの秩序が産んだキワメツケ、"陸の三馬鹿"なんてのまでおります。
そういった秩序の有害さと「無能な働き者は銃殺するしかない」という格言。この二点から本作を見ると非常に痛快でした。
いやあ無茶口御大には特に本作を見せてやりたい。
翌朝には芸妓と不貞寝しているところが見られるはず。