Yukimaru

ワン・デイ 23年のラブストーリーのYukimaruのレビュー・感想・評価

4.2
23年間のエマとデクスターの友情物語であり、同時にデクスターの成長物語である。
1988年7月15日大学の卒業式、
密かにデクスターに片思いをしていたエマは、デクスターと運命的な出会いをする。

若くて派手で軽薄なデクスターは、二十代は人生を謳歌するが、三十代になり、人生のどん底を味わう。
一方のエマは、もともと足元を見つめる現実志向で、堅実に人生を歩み、三十代で才能を開花させる。ありとキリギリスのような二人の人生は、時間がすすむにつれて、逆転していく。

エマが、寂れたメキシカンレストランでアルバイトをしていた時、彼女にとってデクスターは眩い希望のようで、デクスターが自分を見失い、打ちのめされていた時、エマは彼にとって母親のような存在でありつづけた。
二人が、一緒になるタイミングは何度かあったけれども、デクスターの母が彼に望んだとおり、「まともな人」になったとき、二人は結ばれたのだと思う。
人生の好不調の波はデクスターの方が激しく、多くを経験する中で、最後にやっと、エマが共に人生を歩むべき人だとわかる。デクスターが、もっと早熟だったら、エマがもっと素直で勇気があったなら、二人はもう少し長くいられたのかも。

二人の関係を1年の1日ずつを切り取ってつなげていく発想が非常に面白い。
映画で描かれる7月15日の他にも、二人は連絡を取り合っており、あれ?ってなるシーンも。
ここは原作の小説を読んでみたいところ。

最後に、冒頭の出会いのシーンの続きが描かれるが、
二人が友人関係を選択したのは、お互いが、心を通わせられる仲なのだと直感したからなのだろう。
人間の、本当の居場所は、大切な人の心の中であり、それは不変である。
そういうメッセージがあるからこそ、あの結末なのだなと読んだ。
エマの元彼イアンがデクスターに会いにくる場面は、本作一番の名シーン。ああ言える男はなかなかいません。
アンハサウェイとジムスタージェスの魅力満載。


画面に溶け込むような日付のアニメーションも◎