亘

オーケストラ!の亘のレビュー・感想・評価

オーケストラ!(2009年製作の映画)
3.6
ボリショイ交響楽団の元指揮者アンドレイは偶然パリのシャトレ座から楽団に届いたオファーを目にする。指揮への未練があった彼はかつての仲間を引き連れボリショイ交響楽団を名乗りパリへ向かう。

オーケストラに情熱をかける主人公の物語ではあるんだけどストーリーはドタバタコメディ。上手くいきすぎな場面が多くて軽い印象は受けるけど主人公の情熱とか天才バイオリニスト:アンヌ=マリーの美しさがアクセントになっているように感じた。

人を無理やり集めて向かったパリでいよいよ本番かと思いきや楽団メンバーは大騒ぎをしてコンサートどころではなくなる。予約したレストランにメンバーが来なかったり、リーダーのアンドレイがアンヌ=マリーと優雅にディナーを取っていたり、皆のんきで見ている側が焦ってしまうけどこの緩さがこの作品の魅力なのかもしれない。

いよいよ演奏が始まってからはアンヌ=マリーのバイオリンのおかげで楽団がまとまる。これもできすぎではあるんだけど演奏自体は楽しめるからいいかな。そんな中でアンヌ=マリーの隠された秘密が明かされたり、楽団とアンドレイのその後が挟まれているのも楽しめるポイント。脚本の穴は気になるけど、ともかく終わりよければ全てよしという作品だった。

印象に残ったシーン:楽団がパリへ出発する日のシーン。コンサートでのアンヌ=マリーのソロシーン。

余談
アンヌ=マリー役のメラニー・ロランはこの作品のためにフランス国立管弦楽団のサラ・ネムタヌから2か月特訓を受けたそうです。
亘