ひろぽん

きみがぼくを見つけた日のひろぽんのレビュー・感想・評価

きみがぼくを見つけた日(2009年製作の映画)
3.6
幼少期に突如強制的にタイムトラベルをしてしまうという障害を抱えてしまったヘンリーと、幼き頃に未来のヘンリーと出会い彼に恋し続けたクレアの時空を越えた2人の純愛SF物語。


タイムリープものとしては珍しい自由自在に行きたい時間や場所に意図して行けず、タイミングや場所を選べず強制的にワープしてしまう。それと同時に服をワープした先へ持っていく事が出来ない仕様で毎回全裸で登場するというシュールな展開がこの作品の唯一無二の設定で面白いのかもしれない。

クレアが幼い時に全裸で現れたおじさんのヘンリーをずっと恋し思い続けた理由は謎のままだが、彼女の淀みのない愛する心は何よりも美しい。

大事な時に居なくなったり、居て欲しい時に居なくなってしまうヘンリーを待ち続ける姿がとても切ない。

意図的にタイムリープできない上に、分かっていても死ぬ運命の人を救うことができず運命に抗うことができないという点が非現実的な世界ながらも現実的な設定なのかもしれない。

大人になったヘンリーが母親に会いに行って会話するシーンや、愛娘アルバの登場するシーンは印象深く感動的。

自分の未来の不確定要素へのワクワク感もないし、過去の忘れたい過去を忘れる事ができないという自分の人生にハッキリと向き合わなければならない辛さの反面、普通と呼ばれる家族とは違い色んな時代の自分と出会えるという点では刺激的で良いのかも。

原題が『The Time Traveler's Wife』でクレアが主人公とされているのに対し、邦題が『きみがぼくを見つけた日』というヘンリーが主人公として捉えられている所がまた面白いし、原題より邦題の方が良いと思える珍しい作品。

この作品が悪いわけではないが、レイチェル・マクアダムスの出演してる作品の同じタイムリープものとしては『アバウト・タイム』の方が好きだし、純愛ものでいったら『きみに読む物語』の方が好み。どの作品でもレイチェル・マクアダムスは本当に素敵!
ひろぽん

ひろぽん