mikoyan358

レバノンのmikoyan358のレビュー・感想・評価

レバノン(2009年製作の映画)
3.5
ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作。レバノン内戦を舞台にして、ある兵士たちの様子を乗り込んだ戦車から一歩も出ない視点で描いていく。突っ込んでいく戦車の絶望感と視野の狭さがもたらす恐怖感が写実的なドンパチよりも効果的に伝わってきて、自分が映画で観ている戦争はあくまで「理想的」なものであることが良く判る。デシーカの作品を思わせるひまわり畑が冒頭に出てきてむむ?と思ったが最後まで見れば納得。前半の進軍時に比べて後半やや弛緩した印象はあるものの、カメラが外に出ないという壮大な映像実験としては成功していると感じる。
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