グロテスクな内容を彷彿とさせるジャケットに、怪しげに添えられた「SAW」というタイトル。
ごりごりのゴア映画だと思って、これまで避けてきたのですが、本作には目を塞ぎたくなるような直接的なグロテスク描写は無いと知り、興味を持ちました。
元よりワンシチュエーションものは大好物で、ホラサスもよく観るため、ひょっとしたら好きなタイプの映画かもと挑戦する運びとなりました。
観終わった感想としては、面白かった部分とそうでない部分にはっきり分かれる映画だったなと。あまり踏み込んで書くとネタバレになるのでここらへんで!
以下、ネタバレ含みます!
本作がワンシチュエーションものとしてよく出来ていると感じたのは、なんといってもラストシーン。実は最初のワンシーンで完結していたというスマートさ。死体が起き上がることで解き明かされる真相。その時のBGMの気持ち良さが忘れられない。
ただ、ジグソウの仕掛けるゲームはかなり手が混んでいるように見え、癌の末期患者である割には非常にアクティブである。
仕掛けの規模も大きく、準備もそれなり大変そうだし、ましてや近くでゲームを鑑賞するというリスキーっぷり。
狂気的な犯罪者というよりかは、大道芸人のようで、犯している事と割に合っていないようにも思える。ジグソウの人形を作ったり、ゲームの模型を作ったりと、絶対クリスマスを全力で楽しむタイプの人だと思う。
と、ジグソウがジョンであったという事はポッと出な感じが強く、ラストの真相に関してはあまり納得ができていない。
しかし、登場人物全員に怪しい行動があり、この中にジグソウがいるのではないかと大量のミスリードを貼っていたにも関わらず、それを上回る結末でどんでん返しを楽しむことができた。