gonza

ソウのgonzaのネタバレレビュー・内容・結末

ソウ(2004年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ソリッド・シュチュエーション・スリラーの傑作と謳われた『SAW』。
この映画とにかく面白すぎるッ!
少ないキャストと少ないシーンと少ない制作費でココまでのものが出来るって凄い!
そういう条件下で頭によぎる映画って『CUBE』が真っ先に来ると思うんだけど、
テーマ的にはこっちの方が断然深い。

「多くの人間は生命に感謝しない。」

まったくその通りだと感じた。
日本の年間自殺者だけでもざっと3万人。
自殺者に限らず、日々の退屈に、当たり前のことに感謝も出来ずに生きている人間も同じだと思う。
この映画の監督は撮影前に生死をさまよう病気に犯された。
それがこの映画を作るきっかけになったという。
死に直面し無事に身体を直すことが出来て、命に感謝できたというわけだ。

ストーリーは古くカビくさいシャワー室に閉じ込められた二人の男から始まる。
二人は足を鎖に繋がれている。
脱出するには目の前の男を殺すか、鎖を切るか、それとも足を切断するか…。

この映画に似た作品で『フォーンブース』があったが、共通点は『説教殺人犯』の登場だ。
『フォーンブース』の場合、主人公が浮気してるのが許せず、
電話ボックスに閉じ込めた主人公を出れば殺すと脅している。
その間、無関係な人間が死んでいる。
その犯人も危険を犯すことなく安全な場所で事件の経過を見守る。

はっきり言って大きなお世話としか言いようがないのだが。

しかし、『SAW』の場合、罠を張るにも犯人・ジグソウが命を賭けている。
そこに「覚悟」を感じる。
そしてジグソウのゲームに勝った人間は生きることの喜びに震え感謝しだした。

これって人生にまるまる当てはまるような気がする。

僕らの生きてる世界にもいろんな『罠』が張り巡らされている。
様々な問題にぶつかり、頭を悩ませ、解決を試みる。
そしてそれをクリアーした時に感じる喜びと同じだと思うのだ。
もちろん命の重みはまったく違うが。

シリーズは完結されているが、この1作目は比べ物にならない。
2作目以降はストーリーの面白さより、罠の美しさが目を引く。
監督が代わったせいかもしれないが。

『覚悟』だよ。

『覚悟』は絶望を吹き飛ばす!
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