なすび

アイアン・ホースのなすびのレビュー・感想・評価

アイアン・ホース(1924年製作の映画)
4.0
あああーあああーあわわわ、、、すげー…お口アングリなシーンありまぴた…もうこの映画で映画は完成されている。本当にジョンフォードだけが「映画」を作っている気がする…

羊の群れ!バッファローの群れ!馬たち!牛の群れ!!!…牛がすごいと有名な「赤い河」も恥じ入るしかないほど、あのレベルの群れ動物たちが何度もいろんな種類で出てくる!しかも撮り方が…天才…。絶対に手前と奥に連ならせて、奥行きを出している。これにこだわるだけで目眩がするほどドキドキする…
奥行きを出すことの効果は、実際にそこに世界が広がっていることを分からせること。映画の中の現実味が増す。

インディアンたちが乗った馬たち、機関車🚂の周りをぐるぐる周る!!!すごご…

飲み屋のシーン1つとっても、例えば左側にドアがあって人が入ってくるとき、ドアの手前に人を配置して奥には人々を置く。奥行きがない2次元の画面のはずなのに、「真ん中」から人が現れる感覚にクラクラするね…

帽子!!!脱ぐためにあり被るためにあり、怒りを表すためにあり、崖から落ちた時に舞うためにある…

「二本指」との再会シーンをあんなに映像的に一瞬で分らせてしまうなんて!!
銃で殺すのではなく、肉体と肉体でぶつかり合い絞め殺すところに憎しみの大きさを感じる。
もちろんインディアンたちに味方が殺されるし敵なんだけど、インディアンの死を撮っている辺り尊意を持って描いている気がする。銃で撃たれて馬から落ちたインディアン、走り去る馬、駆け寄る犬、顔をなでる犬にフォーカス。犬にとってインディアンも白人も同じ人間だ、差別しないと言っているみたいだ。


いつの間にかわたしがフォードにハマっている今に、蓮實重彦がフォード論を雑誌に載せている。運命を感じているので早く読みたい!でも私は自分がいいと思ってフォードを見ているのだから、その人の論を鵜呑みにしないように、フォードを自分の目で見る。
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