垂直落下式サミング

Monjaの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

Monja(2005年製作の映画)
4.0
フィルマークスでのレビューも200を越え、そこそこ文章の書き方も小慣れてきた今日この頃。そんな折に映画を愛する多くの人に是非とも紹介したい作品を見付けた。
ここに『Monja』という映画がある。宮崎駿監督と双璧をなす引退撤回野郎として世にその名を知らしめている大仁田厚大先生が主演・監督をつとめた魂の作品だ。
私がもし大仁田先生のファンではなかったなら、照り焼きヒキガエルの分際で二度と映画なんか撮るんじゃねえ!汚ねえジャケット羽織って毒霧吐き散らかしながらバカみてえに曙と電流爆破だけしてやがれ!学識も無えのに議員なんぞになりやがって!またぐなよ!オイ!コラ!二度とロープまたぐなよ!タコ!コラ!ニューハーフヅラした引退詐欺野郎が!!そういえば温泉宿でお前の顔そっくりな木彫りの根付けみつけたわ!肖像権侵害かもな!お前がな!タコが!
などと…なんとも辛辣な悪意を込めた呪詛のような罵詈雑言を書き込んでいたことだろう。当人が目の前にいないからといって、汚ない文書で人の悪口を綴るなどまったくもってけしからんことだ。実に嘆かわしい。
さて、映画の内容だが、これは大仁田の大仁田による大仁田のための映画なのだという熱いメッセージを受け取った。いつでもどこでも革ジャンにジーパンの大仁田スタイル。この映画ではそんな不条理が許されてしまう。そんなことが出来るのも大仁田が大仁田だからだ。大仁田は大仁田であって大仁田でしかないのである。プロレスラーという人種が如何に刹那的な愛おしさを内包した存在か、その魅力の断片がもんじゃ焼きの如く映画内にぐっちゃぐちゃに散りばめられているのだ。

ありがとう大仁田。そしてさようなら。
散りゆく男に言葉はいらない。