けーな

ミーン・ストリートのけーなのレビュー・感想・評価

ミーン・ストリート(1973年製作の映画)
3.5
マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロが初タッグを組んだ作品。まだ2人とも無名だった頃の初々しい作品。今作の3年後に、名作「タクシー・ドライバー」が生まれ、その後、映画界に名を残す名監督、名俳優となることを、この時、誰が想像していただろうか。

イタリアの守護聖人のお祭りの期間を撮った作品で、そのお祭りを撮影するに当たって、主催者にお金を払って許可を取らねばならず、なんと、当時、スコセッシは、フランシス・フォード・コッポラにお金を借りたのだそう。コッポラは、今作のデニーロを見て、ゴッドファーザーに採用することを決めたというから、実に運命的だ。

NYのリトルイタリーを舞台に、ろくでもないチンピラ達の日々を描く。スコセッシによると、この映画では、何か伝えたいことがあるわけではなく、若い頃の自分の身の回りのことを描いた作品だと言う。

イタリア系アメリカ人達の話なのだが、その雰囲気とは若干異なる、ザ・ロネッツの「Be My Baby」が明るく流れて映画がスタートするのが、面白い。最初の手回しのビデオもいい感じ。映画の途中で、スコセッシが好きなザ・ローリング・ストーンズの曲も流れる。明るくポップな音楽とは裏腹に、退廃的な若者達のダレた日々が強調される気がした。

この映画の主役は、ハーベイ・カイテル。今見ると、とにかく、ハーベイ・カイテルもデ・ニーロもとても若い。この頃から、やっぱり演技が上手い。原石が光り始める瞬間を見た気がした。
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