ヤン・デ・ボン監督最大のヒット作。
作品の骨格は『新幹線大爆破』(1975)で新鮮味は無いのですが、ギリギリのスレスレ演出が上手くハマった作品。
成功の要因はそれだけではない。というかキアヌ・リーブスが格好良過ぎるというポイントの方が大きいでしょう。
バスの乗客も観客もイケメン警官ジャック(キアヌ)が何をやっても許してしまうし従ってしまう。これは彼が単に警官だからというわけでは無い。
彼が何をやっても清々しい風が吹く。
高速で飛ばすバスの下に潜りこんでも、扉から上半身を乗り出しても、ガムをクチャクチャ噛んでも、眉間にシワを寄せても、短髪が似合う彼が何をやってもとにかく汗臭くなくL.A.の青空のようにカラッとしている。
全部が肯定されてしまう。
バスの運転席に座らせられる羽目になった"ワイルドキャットの姉ちゃん"(サンドラ・ブロック)もまだ「私は大女優なのよ」というオーラが薄い頃のサンドラなのでサラっとしていて、二人が接近する展開を嫉妬無しに応援する女性客も多かったのではないでしょうか(?)。
とにかくこれはキアヌの作品だと思いますし、ジェイソン・パトリックでは替えが効かないんですよボン監督!