あきらむ

25時のあきらむのレビュー・感想・評価

25時(2002年製作の映画)
3.7
刑務所入りが確定している主人公がどのようにどのような気持ちで残りの25時間を過ごすのか。
個人的なことだけど、自分はよく夢で警察に捕まる夢や犯罪が発覚して追われる夢を見「あ、人生が終わった…」と刑期や失われる青春を想って絶望することがある。それはもはや死の宣告以上の恐怖なのだ。目覚めた時の動機は激しく人生が終わってないことを身を持って確認するまで、何とも言えない絶望感に包まれる。
「時間の流れ」を意識させられる場面が多い。25時間とはいえ、場面は目まぐるしく切り替わり多くの場所に出入りする。象徴的な犬の散歩に主人公と犬の熱い関係性をみる。
主人公モンティが異常に刑務所内でのレイプを警戒していたり警察がそのことでからかったりする場面が多く、そんなにか!!?と思ったが、現実的な問題の一つで考えざる得ないよな。
走馬灯は肉体の死に伴うものではなく、精神が死の危機に瀕しても浮かび上がるものだ。ラストの数分は「逆走馬灯」とでも呼べばいいのか。
物語の構成は、余命を知らされた患者が様々な行程を経て希望を持って死を受け入れるまでによく似ている。
残された時間を誰と過ごすのか。周りの人達と、もっとわかりあえていればよかった、信用していればよかった。間際になって気がつくのだ。