マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の一篇を、『ブリキの太鼓』のフォルカー・シュレンドルフが映画化した作品。
私は原作未読だけど、長大かつ偉大な作品であることは知っていたので、よくこれを映画化したなと。
主人公の裕福なユダヤ人青年スワンをジェレミー・アイアンズ、男色家の友人シャルリュス男爵をアラン・ドロン、ほかファニー・アルダンも出て豪華キャスト。
スワンが恋するオデット演じるオルネラ・ムーティはフラッシュ・ゴードンで王女をキュートに演じてたけど、今回もコケティッシュでかわいらしい。
あと、アラン・ドロンが通り過ぎる男をいちいち品定めしたりノリノリで演技してて楽しい。
「人生を台無しにした、最大の愛情を好みでない女に注いだんだ」
狂乱から冷めて結婚という形で終わるスワンの恋。
フランス社交界の少数派であろうユダヤ人や男色家、高級娼婦の物語を主軸にしているのが面白く。また、社交界のスノビズム、人種や階級、職業による差別が描かれて複雑な輝きを放つ作品。
まぁでも難しいことはさておき、アラン・ドロンとジェレミー・アイアンズが山高帽に燕尾服で同じフレームに収まってるって、西の方角に土下座したい素晴らしさです。ありがとう!フォルカー・シュレンドルフ監督!
セザール賞を受賞した衣装も素晴らしいです。
今となっては難しいだろうけど、テレビシリーズとかでも全映像化を見たかったなと、スワンや男爵のその後が気になった。
とりあえず生きてる間に原作は読みたい。