キミシマムザ裕君

アーティストのキミシマムザ裕君のレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.2
1927年のハリウッド。無声映画のスターであるジョージは新人女優ペピーを人気にするきっかけを作るが、彼自身は新たな映画の時代と共に忘れ去られ始めていて…

2011年のモノクロ・サイレント映画。
アカデミー作品賞他5部門受賞!!
アカデミー系はとりあえず見ておこうということで鑑賞。
※さりげなく今まで見たアカデミー作品賞のシリーズを下のタグでまとめておきました。


なんだこの映画!
サイレント映画ってこんなに”うるさい”ものなのか!

サイレント映画はチャップリンの名作を数本見ただけで素人に毛が生えた程度の知識しかない自分だが、この映画は昔ながらのサイレント映画に感謝と尊敬の念を表しているに違いない!
監督自身も

「これは映画へのラブレターとして作られ、映画史に対する称賛と尊敬から生まれた」

と言っている通り、カメラのカット割りから古風な音楽、そして字幕をできるだけ使わないような工夫などが見て取れる!
そして最初に書いた”うるさい”の意味は登場人物の感情だ。
声を発することが出来ない、セリフはほとんど使えない状況で人の感情を伝達するのは難しい?
そんなことは全くない!役者たちの生き生きとした表情や小さな体の仕草まで、彼らの喜怒哀楽が直接心に伝わってくるのだ!
物語自体も単純でわかりやすいので

「サイレントはちょっと…」
「モノクロは観たことないなぁ」

とビビってる方々は考え直してもらいたい!

役者たちも素晴らしかった。
主演のジャンデュジャルダンは初めて見た。
かと思いきや『ウルフオブウォールストリート』でスイス銀行やってた奴で気づかなかった。とにかく彼の動きから表情から髭まで全てがカッコイイ!顔は007時代のショーンコネリーを想起させるような男前なのに動きはチャップリンのようなコミカルさ、アカデミー男優賞も納得の演技だった。
ヒロインはベレニスベジョ。
こちらは本当に初めましてな方だったがなんとも美しい。
”つけぼくろ”を付けただけで印象がガラリと変わったのはなぜだろうか?あと、この監督の奥さんだそうです。羨ましい。
そしてさりげなくコーエン兄弟監督作品常連のジョングッドマンが映画会社社長として登場。しゃべらなくてもあの存在感は素晴らしい(笑)
また、忘れてはならないのは主人公の相棒犬ジャックの存在。
もうクレジットで言ったら二番目に出てもいいくらいの活躍ぶりと芸達者さ。可愛くて仕方ない。彼らの友情にも注目していただきたい。

アカデミー作品賞はあまり自分に合わないものが多くいつもノミネートどまりの方が好きだったりするのだけれども、今作は期待していなかった分かなり感動出来た。
映画内で触れられている
”古い世代と新しい世代の価値観の違い”
のテーマも少し考えさせられた。スターウォーズの新旧ファントークに通ずるものがある(笑)

サイレント映画に興味がある人、アカデミー作品賞見たい人、そして愛犬家の人にはおススメの作品。