始まりから終わりまで犬の名演っぷりがすごい。サイレント映画ならではの字幕表示。台詞なしで進む場面が多いので、場面や表情から今何が進行しているのか多くを想像させられる。目は口ほどに物を言う。少し目を離すとストーリーを見落としてしまう。タップダンス。一人羽織。サイレントからトーキーへ。オチは少し安易な印象。プライドという魔物。運の力。捨て身の頑張りや努力をもう少し見たかった。惜しいのはサイレント映画風の字幕が出ることにより、この話自体が作り話であると意識させられる点。役者が役者を演じているように見える。作中流れる音楽はもう少し抑揚が欲しかった。技術的に可能とは言え、この時代の雰囲気を再現するのは大変だったと思う。作り手による先人へのリスペクトを感じた。
