ミシンそば

アーティストのミシンそばのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
3.4
再鑑賞。評価は好転。
ぶっちゃけリアタイで観た時はこの物語に対する理解度があまりに低かったと感じさせられた。
単純な筋書きのようで、そのバックボーンには幾重にも重なるサイレント俳優の消費と悲劇があることを念頭に置いて観れば、この映画の「骨」がどこまでも複雑に見える。
どう観て、どう認識するか、その余地の広さと奥行きが、アカデミー賞受賞の由縁だろう。
それを理解しきるには、初見から十年たった今でも、まだ早かった。

「雨に唄えば」のようにどこまでもハッピーな御伽噺ではないが、少なくともぺピーのジョージに対する一途さもまた、ジャンルが違う御伽噺ではあるな、と素直に感じた。
憧憬とリスペクトと恩義、それから恋慕と少しの同情、その全てがあったから、才能が開花した後もぺピ-はジョージを想い続けられたのだろう。
自分の中ではジョージ役のデュジャルダンとぺピ-役のベジョの演技合戦として観た場合、その存在感がゆえに後者に軍配を挙げるだろう。

まあ、この映画のMVPは今は亡き名犬アギーなんですがね。