まぐ

アーティストのまぐのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
4.2
サイレント映画は、見る側が自然とセリフに頼らず積極的に人物の心境を理解しようとせざるを得ないのがいい。この映画を見て気づきました。

サイレントとトーキー、どちらがいいなんて一概には言えないですが、最終的には古きと新しきを融合させた解決策で、新しいものも古いものも良いところは素直に取り入れようというメッセージがこの映画そのもののスタンスと合致してよかったです。まさにサイレントの良さと近代の映画の良さがシンクロを起こしている映画だと思います。

最後のダンスシーンも素晴らしいのですが、1番いいなと思ったのはゾッとさせるシーンです。行列のシーンや自分の持っていた家具を見つけるシーン、コップを置くシーンなど、「まさか…まさか…うわぁー!」となる演出が絶望感に拍車をかけます。

やっぱり演出先行というか、演出が前面に出てくる映画は見てて面白いです。自分は今どのレイヤーにいるか錯覚を起こしてしまうようなラストシーンもとても良かったです。
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