庶民ケーン

アーティストの庶民ケーンのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
3.8
過剰なCG、過剰な効果音、無意味に壮大な音楽、そういった要素で上部だけ飾られたハリウッド映画があふれる中、今サイレントで作ったからこそ意味のある作品になっていると思います。また、制作言語が英語以外では受賞不可能であったアカデミー賞作品賞をフランス映画でありながらあえてのサイレント映画という抜け道で見事手にしたのは偉大な功績です。作品の内容自体映画史を描いているものですが間違いなく今後、映画史を語る上で外せない1作になったと思います。

 また、カラーで撮影しながらもポスプロでモノクロに編集したのは正解だったと思います。できるだけ余計な情報を削ぎ落とし魅せたいところをシンプルに強調したことで人の興味を引く物珍しさもありますし、それによって数ある作品の中でも埋もれず輝くことができたのだと思います。

 賞の話をするとカンヌ国際映画祭で最も素晴らしい演技を行った犬に送られるパルムドッグ賞を受賞した犬のアギー、彼の演技が最高でした。ユーモラスな演技だけでなく全力を出す必死さ、悲しい演技などで本作ではかなり重要な役を担っています。
庶民ケーン

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