新潟の映画野郎らりほう

アーティストの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

アーティスト(2011年製作の映画)
1.5
【嗚呼稚拙】


階段上がる女と降りる男 - 場面の趣意は伝わるものの只其れ丈の印象。

趣意/主張や映画理論なぞ、ストーリーに溶かし込み意匠で魅せた上で、私達が大なり小なり汲み取るものであってそれが前面に出ては映画理論教程だろう。
意匠や芸術でそれを魅せるのが「映画アーティスト」であろうに。

抑 上記にはモノクロサイレントである必然も無く、コンテンポラリーフォーマットのイーストウッドや是枝裕和の方が余程サイレントでありモノクロームだ。
つまりは口先のサイレントと精神的サイレントの違いである。


燃え上がるフィルムで以て「フィルムの焼焔 =終焉」とする腹積もりだろうが、ここにはタランティーノ「イングロリアスバスターズ」の様な『フィルム時代が終わる絶望』も『それでも映画の魂が決して消えぬ慶び』などまるで在りはしない。

至芸者を謳っておきながら映画芸など何処にも無い。




《劇場観賞》