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マックス、モン・アムールのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)
3.3
大島渚監督が、スタッフ・キャスト全員に外国人を使い、人間の女性とチンパンジーとの恋愛、人間の夫との三角関係を描いた異色の恋愛劇。
撮影はラウール・クタール。
音楽はミシェル・ポルタル。
原題:(仏) Max, Mon Amour、 (英: Max My Love)(1986)

パリのイギリス大使館で働くピーター(アンソニー・ヒギンズ)は、妻のマーガレット(シャーロット・ランプリング)と1人息子ネルソン(クリストファー・ホビック)と3人家族で、アパルトマンには住み込みの女中マリア(ビクトリア・アブリル)もいる。
妻の浮気を疑ったピーターは、探偵(ピエール・エテックス)を頼んで密会の場を突き止め、部屋に乗り込むが、彼女がチンパンジー(名前はマックス)とベッドにいるのを見て驚愕。
悩んだ末、アパルトマンに檻のある部屋を作り、同居することを決める…。

~その他の登場人物~
・夫の同僚で愛人、カミーユ(ダイアナ・クイック)
・街の女、フランソワーズ(サビーヌ・オードパン)
・友人エレーヌ(ニコール・カルファン)
・友人ニコラ(ファブリス・ルキーニ)
・友人スザンヌ(アンヌ・マリーベッセ)
・夫の母(ミレーナ・ヴコティッチ)

「ぼくの望み、救いは、君ら2人が寝ているところを見ることだ。

そんなに気になるなら鍵穴からのぞけば」

「動物は自由な時が一番美しいのよ」

"アレルギー"
"女王陛下の訪問"と"パレード"


人間と猿とのセックスという興味を引くがタブーな問題はオブラートに包まれる。
マックスとピーターの立場が逆転する食事のシーンなど、ユーモアを感じさせる作りになっているが、ラストシーンの眼差しは厳しい。
異質な者(マックス)は社会から一時歓迎されたように見えても、いずれ社会から危険な者として捕まえられる運命を背負う。
そして、捕らわれる前に彼を愛する者の手によって、生命を奪われることになるだろう。
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