モールス

ゾラの生涯のモールスのレビュー・感想・評価

ゾラの生涯(1937年製作の映画)
4.5
これは良作でした。本作は19世紀後半のフランスにおける文豪エミール・ゾラ氏の伝記的映画です。 売れっ子作家としてブレイクする前から話が始まりますが、大志を抱いた青年時代から、名声を得た後のゾラ氏の対比が実に興味深いです。
正義感に溢れて、実に力強い人物だったことが伝わります。同時にブルジョワ的な生活を手に入れて、富に溺れていくところも人間的でした。人の半生を描いた作品として、上手く描写してると思いました。
石原慎太郎氏が言ってましたが、「作家なんてものは、不遜なところがあるもんだよ。」
ゾラ氏にしても、地位も名声も確立したのに裁判所の誤審を社会的逆風に負けずに図太く裁判所を批判するところは爽快です。逆境が作家魂を目覚めさせたみたいでしたよ。
古い映画ですが、 対権力及び社会という主張がはっきりしていて非常に面白いです☆
また公的組織にありがちな隠蔽、捏造をする体質を糾弾したのは現代にも通じる問題でテーマ性は抜群です。
本当に骨太で見応えありました。
モールス

モールス