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十字砲火のscarfaceのレビュー・感想・評価

十字砲火(1947年製作の映画)
4.1
まず、自分しかmarkしてないのが驚き!全米初公開時から3ヶ月でその後の一切の上映を禁じられ、ハリウッドから意図的に無視された作品。カンヌでは賞を取っていますが、アカデミー賞ではノミネートのみで受賞はしていません。素晴らしい作品なんですけどね。なぜそんな扱いを受けたかというと、ユダヤ人差別を過激に描いているからです。迫害から逃れてきたユダヤ人が作り上げたと言ってもいいハリウッドに、爆弾を投下するようなもんかもしれませんが、自分はこの映画は様々な差別に対する普遍的な事を訴えていると思いました。今観てもテーマは全く色褪せず重要である事は間違いないです。
この映画がすごいのはテーマだけじゃなく、超絶スタイリッシュな映像美が観れるところです。ショットも光と影の使い方も惚れ惚れしてしまいます。セリフも最高ですね、渋い!ハリウッド史的には意図的に名作から外されてる感がありますが、これは紛れもないフィルムノワールの名作です!この作品の影響もあったでしょう、その後の赤狩りでハリウッド追放となった監督の無念も汲み取りつつ、この作品を大事にしていきたいと思います。
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