年取ってからは滋味溢れる親父にしか見えないロバート・ライアンが、本作ではレイシストで感じの悪い男を演じる。ロバート・ミッチャムは印象薄くて、アイルランド出身の爺様が虐げられたエピソードを語って若い兵士を協力させるロバート・ヤングがいいところを持って行く。犯人に誤認された兵士と夜の女グローリアム・グレアムとの関わりや、その連れ合いの描写は本作における不思議なアクセント。兵士の妻を演じるジャクリーン・ホワイトは、リチャード・フライシャーの『その女を殺せ』の人ですね。あと、復員兵が、戦勝国でも微妙な存在だったことが分かるのが面白い。