rage30

クルーレスのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

クルーレス(1995年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ファッション指南が趣味の女子高生の話。

う~ん、30年近く前の作品という事で、いろいろと時代を感じてしまう作品でした。

特に主人公の造形。
女は教養より愛嬌みたいな思想がキツいし、恋愛至上主義的な価値観もキツい。
今のファッションって異性の為でなく、自分の為にするものだし、恋愛よりも友情…シスターフッドを重んじる価値観だってあるのに。

そもそも他人の恋愛感情を弄んでおいて、良い気になる事の傲慢さたるや…。
恋愛リアリティーショーを消費するのと、同じ気持ち悪さを覚えてしまいました。

一応、ラストには改心的な描写もありますが、本当に記号的な善行としてボランティア活動をする白々しさもあって。
どうせなら、恵まれない子供達にファッションの楽しさを伝える…とか、そうした方が彼女のスキルも活かせるし、人間的な成長も感じられたと思うんですけどね。

他にも同性愛差別的な発言や近親相姦っぽい結末など、今の基準的にアウトな描写は沢山あるんですけど、逆に言えば、今のラブコメ映画がアップデートを果たし、多様性に配慮している事を痛感する事も出来ました。

そういう意味では興味深い映画でしたし、自分の感覚がアップデートしてるかどうかを図る、リトマス試験紙として見るのも良いかもしれません。
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