TAK44マグナム

テイキング・ライブスのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

テイキング・ライブス(2004年製作の映画)
3.4
アンジェリーナ・ジョリー、イーサン・ホーク共演によるサスペンス・スリラー。
ジャック・バウアーことキーファー・サザーランドも出ていたりしますよ。

何十年かの間に、独身男性の失踪や遺体の発見があいつぐという事件が発生していました。
どの遺体も顔がつぶされ、身元がわからないように処理してあるのが特徴で、今日も今日とて工事現場で新たな「顔がない遺体」が発見されちゃいます。
FBIからスコット捜査官(アンジー)が派遣されます。彼女はプロファイリングの達人で、現場に着くなり、遺体のあった場所で寝ころんでプロファイルするという、どことなく普通じゃない登場の仕方をします。
どっかのテレビドラマで、まんま同じようなのありましたけど、もしかしてパクリだったんでしょうか。

同じころ、死んだはずの息子を目撃したという母親の通報があったり、殺人現場を目撃した画商が証人として連行されたりします。
画商のコスタ(イーサン・ホーク)の証言と似顔絵により捜査は進展、どうやら19年前に死んだはずのマーティンという少年が、それから何十年にもわたって殺人を繰り返し、その被害者に成り代わって生活していることを突き止めます。
つまり、マーティンという殺人鬼は、一定の期間ごとに他人の人生を奪って生きているサイコパスなんですね。
では、現在のマーティンは一体誰に成り代わっているのか?
どうやら次のターゲットをコスタにしたらしいとの事で、スコットたちはコスタを餌にしてマーティンを捕えようと画策します。
コスタを付け狙う謎の男(キーファー・サザーランド)がマーティンなのか?

なかなかに斬新なサイコパスが暗躍するお話ですね。
顔をつぶしたり、手を切断したりだけでは身元判明を防ぐには不十分だし、なによりその相手に成り代わるためには相当の時間をかけて研究しないと出来ないと思うんですけど、本作の犯人であるマーティンは簡単に他人に成りきることができちゃう特殊な才人なわけです。でも、職業とか話し方とか筆跡とか、簡単にコピーできないと思うんですけどね。
昔、テレビドラマで、どんな職業のどんな人間にもなれる特殊能力者が主人公のがありましたけど、マーティンの場合は確かに存在している他人にとってかわるわけなので、例えば顔が全然違うのに、もし家族や知人が接触してきたらどうするんだ?とかの問題が起こりえるんですよ。
いくら居場所を変えたり、知人たちとの接触をたっても、そんなことばかりしていたらそこから足がつきそうなものでしょ。
なので、実際には、マーティンの犯罪は不可能に近いんじゃないかと思います。
その証拠に、割と早い段階でスコットの推理によって、「マーティンという過去」は明るみに出てしまうわけで。

ただし、物語的にはここからが本番。
マーティンが誰に成りすましているのかを追う展開になるんですね。もっと調査すれば判明すると思うんですけど(マーティンの写真とかあるだろうし、その気になればDNAだって調べられるかもしれませんし)スコットたち警察側がいまいち頼りないので、後手後手にまわっちゃいます。

中盤以降の展開は、意外な方向へ話が進んで、けっこうショッキング。
加えて、アンジーのしっかりとしたヌードも拝めますし、男性諸氏には嬉しいサービスとなっております。
本作のアンジーは、きつそうなイメージはなりを潜めて、どこか初々しくてカワイイ女子といった雰囲気で良いですな。

肝心のマーティンの正体については、観れば誰でも分かるように作ってあるとしか思えないほどバレバレなんで、ミステリーとして評価するならば、そんなに高評価できるような映画ではないな、と一刀両断してしまうところですが、終盤はこちらの予想を裏切る展開をみせてくれたりするので、スリラーとしてならば上出来じゃないですかね?
事件の解決方法としては賛否両論ありそうなラストでしたが。

まだまだ若かったアンジーの、まだまだたわわに実っていたオッパイを堪能できるオプション付き映画だと思って観れば、レンタル代金も全く気にならないでしょう。
真面目に言うと、もう少し細部を煮詰めたほうが(特にキーファー・サザーランドの扱いやスコットのプロファイリング能力の扱いについて)、もっと深く楽しめる内容になったんじゃないかと思うと、少々残念ではありますね。
出だし(プロローグ)がイカしていたので余計にそう感じます。


レンタルDVDにて