TAK44マグナム

ビバリーヒルズ・コップのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)
3.3
炸裂!マシンガントーク!


エディ・マーフィを一躍スターダムに押し上げた80年代の大ヒット映画。
軽快なテーマ曲や「ヒート・イズ・オン」等の劇中歌がまさしくMTV的で、ザ・80年代なアクションコメディですね。

超久しぶりに鑑賞しましたが、実のところホラーコメディは好きでもアクションコメディというジャンルはさほど気に入った作品が少なく、エディ・マーフィ自体もあまり好みではない俳優さんなのもあって、残念ながらそこまでハマりませんでした。
昔、テレビの洋画劇場で観た時の方が面白かった記憶があるので、もしかしたら吹き替えで観れば少し違うのかもしれません。

親友を殺された主人公のアクセル刑事が、所属するデトロイト市警とは何もかも違うビバリーヒルズで奮闘する様を描く復讐譚ですが、起きる事件そのものは地味だし、あまりキレのあるテンポでもないこともあって、途中まではのんべんだらりとした印象もあったり・・・。

しかし、本作は完全にキャラクターありきのキャラ映画なんですよね。
アクセル・フォーリーという、デトロイトで生まれ育った向こうみずな警察官が持ち前の口八丁手八丁で事件の真相に近づいて行く。そして、時には鋭い勘としなやかな身のこなしで悪党と対峙するわけです。
筋よりも、そういったキャラクターを楽しむ映画。
いま見ると意外なぐらい細身で格好いいエディ・マーフィの動きも軽やかで、得意技であるマシンガントークもキレキレで楽しい。
そして、コミュニケーションにおけるリーサルウェポンともいうべき笑った顔が最高にピカピカしているのが素晴らしい。
見習いたいけれど、あんな笑顔は真似できないなぁ(苦笑)
特徴的な笑い方が、嗚呼、エディ・マーフィだなって感じ。
このアクセル刑事という主人公をエディ・マーフィが演じるというだけで半分成功は約束されたようなものだったでしょう。
映画界的にも「48時間」でエディ・マーフィというダイヤの鉱石を掘り当てた後でしたしね。

そして、もう半分は他のキャラクターたち、特にローズウッド刑事(演じるジャッジ・ラインホルドは「初体験リッジモンドハイ」でフィービー・ケイツの生オッパイを至近距離で見た、とんでもなく羨ましい俳優さん)やタガート刑事のキャラ立ちの良さがモノを言っています。
しかし、警察側のキャラが魅力的なのに対して、悪役側の魅力が乏しいのが難点。
古めかしい悪役像で、新鮮味もないし、やることも普通すぎます。
悪役側にはあまり注力せず、アクセル・フォーリーというキャラクターを前面に出したかったのかもしれませんが、やはりこの手のものは悪役のキャラクター性も大切だと思うんですよね。
その点、メイトランドという本作の悪党は、いけ好かない金持ちの域を脱しておらず残念でした。

欲を言えば、もうすこしデトロイトとビバリーヒルズを比べて、アクセルの口から「落差」を示唆して欲しかった気もします。

何にしても、刑事アクションとして観ると物足りなさが残りますが、アクセルが口だけでホテルのスィートルームをゲットしたり、色々なピンチを脱してゆく様子はすこぶる楽しいので、脳みそを使う映画はしんどいと思うような疲れた夜のお供にオススメ。
あまり深く考えちゃいけません。


そう言えば、エディ・マーフィが続投するって噂の「ビバリーヒルズコップ4」の製作はどうなっているのでしょうかね?
最近、話を聞きませんが・・・


テレビ放送、NETFLIXにて