矢吹

神経衰弱ぎりぎりの女たちの矢吹のレビュー・感想・評価

神経衰弱ぎりぎりの女たち(1987年製作の映画)
3.8
舞台という一つのシチュエーションで
この広いはずの世界で、考えうる、全てのことが起きてしまう。
このステージにみんなで集まってお祭り騒ぎを起こして見れば、楽しいはずの踊りは、ぎゅうぎゅうの山手線、捨てるのをサボったゴミ袋の山、押し合いへし合い阿鼻叫喚の群れの上、ステージから転がり落ちる人続出となるわけです。
その様はまさにドタバタ。最高のコメディと呼ぶにふさわしいのかもしれない。
世界中の人間を一つの舞台に集めてみること。
そうなると、まあ当然、観客は犬や猫しかいないから、あくびして、寝て、クソして、みんな帰ってしまうかもしれないけどね。
まさに、一人相撲、79億人相撲だな。
そこで一つ提案が、あります。
カメラで撮って、映画にしよう。
さあこれで、後でみんなで見れますね。
ということです。真剣にいうけれど、おおむね、本当にこういうことなんだと思う。
素晴らしいコメディでした。
脚本がまさにお手本通りのようで、これが舞台になってるのか、元々舞台なのかわからないけど、いろんな形で見たいような、本当にエンタメ性の高いものですよね。

その上で、映画としての演出、カメラ、見る側の楽しみがこれでもかとあるのですよ。
オープニングの洒落込みっぷりも捨てがたいですが、特にバイクの疾走シーンは抱腹絶倒でございます。

つまり、無料で見れるものが今の世の中は多すぎるのじゃ。
矢吹

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