カタパルトスープレックス

タイムズ・スクエアのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

タイムズ・スクエア(1980年製作の映画)
3.4
音楽大好きアラン・モイル監督による1980年ニューヨークを舞台にした青春音楽です。プロデューサーは『グリース』(1978年)のプロデューサーのロバート・スティグウッド。

非常に音楽のセンスがよく、うまくやっていたら同じ年に公開された『ブルース・ブラザース』(1980年)と同様に音楽映画の金字塔になっていたのに!非常に惜しい作品です。

80年代のニューヨークが舞台なので、音楽もパンクです。パティ・スミス、ルー・リード、ラモーンズやトーキング・ヘッズはもちろんのこと、D. L. バイロンのバージョンの『恋はあせらず』とか、とにかく選曲のセンスが良い。ニューヨークだけじゃなくてオープニングのロキシー・ミュージックとかジョー・ジャクソンとかイギリス音楽も入っているのもバランスよし。

あと、ファッションセンスもよし。80年代の邦画ファッションってダッサいじゃないですか。当時はちゃんとスタイリストがついていなかったんですかね。本作では主人公二人のファッションがとてもよい。ああ、ニューヨークだなあと。

アラン・モイルは本作の後に10年の執筆期間を経て『今夜はトーク・ハード』(1990年)や『エンパイア レコード』(1995年)を監督しています。プロデューサーのロバート・スティグウッドはビージーズやクリームのマネージャーでもあり、『グリース』や『ヘアー』(1979年)を映画化してノリに乗っていた時期ですよね。

プロデューサーのロバート・スティグウッドは監督のアラン・モイルと音楽をもっと全面に出すべきだと口論になったそうです。ボクはロバート・スティグウッドが正しかったと思いますね。『ブルース・ブラザース』みたいにプロのミュージシャンがマジで最後を飾ったら本作は音楽映画の金字塔になれたと思います。