バナバナ

おにいちゃんのハナビのバナバナのレビュー・感想・評価

おにいちゃんのハナビ(2010年製作の映画)
3.5
「片貝まつり」の花火大会って、個人や団体がお祝い事などで打ち上げるんですね。
地元の人は、一般の方でも花火の形などをよく知っているので、業者まかせでなく、自分たちで花火を選んで演出を考えられるところが楽しい。
アナウンス嬢の説明付きで、一団体ずつ打ち上げる様は、まるで花火師のコンクールのようでした。

妹は白血病で、兄は引き籠りという設定ですが、兄が卑屈になっている時に、妹とその友達に街を連れ回されるのって、かなりの屈辱じゃありませんか?
それなのにこのお兄ちゃん、感情を荒げる事なく、全く妹に怒らない。

妹が明るいのは、本当は自分が病気がちだから、反って病気に負けないように前向きに生きよう!と思っていたのかもしれませんが、
将来、看護師になりたいとか、パティシエになりたいとか、彼女自身の将来の夢はなかったのでしょうか?
彼女の部屋に、落書きされた頭だけの変な人形が3体置いてあったから、ヘアメイクアーティスト希望でもいいのだけど、
彼女の“生への欲”も描いてほしかった。
とにかく、全体的にきれい過ぎて、あっさり進んでいくんですよね。

お兄ちゃんが花火の会社で働くのって、アルバイトなのか就職したのか?
会社では花火を運んでいるシーンしか無かったと思うのだが、
本当は入ったばかりの人に花火は作らせないだろうけど、
そこを曲げて、妹のお蔭でプータローが花火師になる道を選びました、ってした方が分かりやすくてよかったかも(私が見逃していただけならスミマセン)。

それに、親が頼んで仲間に入れてもらうのがイマイチだった。
友情も描きたいのなら、友達が気付いてあげないといけないんじゃないのか。
ベタなストーリーなのは構わないんだけど、私が描いてほしいところが、尽くズレていたので、少々低めの点数にしました。
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