クシーくん

死海殺人事件のクシーくんのネタバレレビュー・内容・結末

死海殺人事件(1988年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ユスティノフの映画版ポワロ最終作。
以前ナイル殺人事件でも触れたが、ユスティノフ主演の作品は他の映像作品とは全く異なるポワロ像であまりファンからの人気は高くないが、私自身は思い入れがあり結構好き。ややコメディ色が強くユーモラスな作風が特徴だ。
スーシェのドラマ版のように罪と罰のテーマに挑み思い悩むポワロもそれはそれで良いのだが、名探偵ものはやはりある種の軽薄さ、気軽さが必要だと感じる。ユスティノフ主演作はいずれも避暑地や観光地を舞台にしており、言うなれば旅情ミステリの味わいもある。

ジョージ6世即位時のパレスチナを舞台に、亡夫の財産を独り占めする傲慢な後妻が殺される事件。殺される後妻のボイントン夫人を演じるパイパー・ローリーがとにかく憎たらしい鬼婆で名演技。こんな人が身内にいたらそりゃ家族は嫌だろうなあ。
白目剥いたパイパー・ローリーが何度も顎をクイクイされるのはめっちゃ笑った。

犯人が分かってるのに放置するポワロも警察もどうなんだという気はする。犯人置いて皆で楽しく花火見に行ってんじゃないよ!
クシーくん

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