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イースター・パレードのReoのレビュー・感想・評価

イースター・パレード(1948年製作の映画)
4.2
1から作り上げる、ダンス界の新星2人組を描いた作品。

イースターは、日本ではあまり馴染みのない言葉であるが、春に行われる大切な記念日である。キリストの復活祭であり、全国民が祝いを今か今かと待ち侘びる。今作でも復活祭を目の前にし、街は活気を帯びている。格式高い服を着こなし、頭には少しユーモアのあるハットを被り、「ハッピーイースター」と笑顔で挨拶を交わす。
そして、春の暖かさを感じる祝福日を前に、新たな2人の出会いが、ダンスコンビの「復活」を遂げる。

やはり、フレッド・アステア、ジュディ・ガーランドの個々の能力が高い。
まず、フレッド・アステア。序盤から圧巻のパフォーマンス。おもちゃ屋という狭い空間で、タップダンスや楽器、身体を用いて、鑑賞者を魅了する。ルックスは特別良いわけではないが、それを補う演技力。MGMの看板男、ジーン・ケリーの代わりに主役を務めたが、適役だと感じた。
次に、ジュディ・ガーランド。目に余るほどの美しさ。そりゃあ、通行人も振り返ってしまう。笑
フレッド・アステアとのコンビダンスも魅力的だったが、やはり歌唱力。彼女のくどくない歌声が、祝祭という明るく、楽しげな今作にマッチしていた。
作品全体の色合いも凄く素敵だった。服装や部屋、食事処が、高貴でお堅い雰囲気があったが、折々に散りばめられていたコメディ要素で、遊び心を感じられた。
来年の復活祭の日にまた鑑賞したい。
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