Newman

わが母の記のNewmanのレビュー・感想・評価

わが母の記(2011年製作の映画)
3.8
家族全員で検印を行っているのを見てびっくりした。ちょっと古い本には検印省略とあり、もっと古い本だと著者の検印があるのは知っていたが、検印って本当に著者のところで印を押しているとは思っていなかったので。当然といえば当然のことなのだけど、ミリオンセラーだったらそれだけでものすごくたいへんなことだったのだろうなぁと思った。変なことに感動してしまいました。役所広司さんは安定の演技。一作、一作にキッチリした演技をするのはすごいものですね。樹木希林さんのボケの入ったお母さん役は大変だったろうな。ボケってあんなふうなんだと見ていました。話を合わせることはできるのに、ちょっと前に話したことの記憶はない。誰でも少しずつはああなるんだと思うと恐怖。母親の子に対する無私の愛情、そしてその愛情を理解したときの男の涙。ぴったりそのままだという演技に感動しました。いつか母親を失うときが来るんだと恐れながらその日はいづれはやってくるものなのだなぁと思わされました。
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