kazu1961

わが母の記のkazu1961のレビュー・感想・評価

わが母の記(2011年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「わが母の記」
Original Title :※※※
▪️Release Date:2012/04/28
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : 第36回日本アカデミー賞
最優秀助演女優賞
🕰Running Time:118分
▪️Appreciation Record :2020-277 再鑑賞
▪️My Review
この作品は何度観ても泣いてしまいます。母の子に対する愛情の深さが身に染みる作品です。特に痴呆が進んでいる母親八重が詩をそらで読み返すシーンと沼津へ向かうシーンは涙が出て止まりません。。。
そして、なんと言っても本作で樹木希林の演技の凄さ、名女優振りを認識しました。今までも数々の名演技を見せてくれましたが、この作品の演技はとても光っています。
本作、文豪、井上靖の「わが母の記~花の下・月の光・雪の面~」の映画化です。誰もが避けては通れない親の老いと死について描いています。幼少期の出来事により母親との間に大きな溝を抱える中年作家と、年老いて痴呆が進んでいく母親との関係を中心に、家族の深い絆が描かれています。母親役の樹木希林、主人公の娘役の宮崎あおいなど、実力派の共演が物語を盛りたてています。
物語は。。。
家庭の事情から、親から離れ、親戚に預けられて育った洪作。自分は親から捨てられたという憎しみが洪作の小説への原動力になったのも事実ですが、洪作の母への怒りが消える事はありませんでした。しかし、痴呆となった母の口から、ある詩がこぼれ落ちた時、洪作は初めて母を許そうと思うのでした。。。
本作の核となるのは「痴呆」ですが、心を揺さぶるのはやっぱり家族の絆・母の愛だと思います。とにかく、哀れに見えるはずの認知症の母親を愛しく演じ上げた樹木希林の演技は必見です。監督は井上と同じ沼津出身の原田眞人。撮影は実際の井上靖の家が使用されたそうですね。

▪️Overview
井上靖の自伝的小説「わが母の記」3部作(講談社文芸文庫刊)を、「クライマーズ・ハイ」の原田眞人監督が映画化。役所広司、樹木希林、宮崎あおいら実力派キャストで10年間にわたる親子、家族の愛を描く。昭和39年、小説家の伊上洪作は、父が亡くなり母・八重の面倒を見ることになる。幼少期に母と離れて暮らしていたため距離を置いていた洪作だったが、妻や3人の娘、妹たちに支えられ、自身の幼いころの記憶と八重の思いに向き合うことに。八重は薄れゆく記憶の中で息子への愛を確かめ、洪作はそんな母を理解し、次第に受け入れられるようになっていく。第35回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で審査員特別グランプリを受賞。第36回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞(樹木希林)受賞。(引用:映画.com)

出演は、役所広司、樹木希林、宮﨑あおい、ミムラ、南果歩、キムラ緑子、真野恵里菜。
kazu1961

kazu1961