Maoryu002

ヨーク軍曹のMaoryu002のレビュー・感想・評価

ヨーク軍曹(1941年製作の映画)
3.7
1916年、テネシーの田舎町で素行の悪かったヨーク(ゲイリー・クーパー)はパイル牧師(ウォルター・ブレナン)の諭しと、ふとしたきっかけから信仰に目覚める。そして、戦争の正当性に疑問を抱きながらも、自由と仲間のために戦地で活躍を見せるのだった。

「赤ちゃん教育」「三つ数えろ」「紳士は金髪がお好き」「リオ・ブラボー」とジャンルが多彩なハワード・ホークス監督による伝記映画。

非常に宗教色が強いんだけど、田舎での人々の素朴さと、戦場でのヨークの活躍がいい感じのギャップで、娯楽作品としてけっこう楽しく観ることができた。
やっぱり、村の大会や軍の訓練でヨークが見せる射撃の腕前は気持ちいい。

妹の “何のために戦うの?” という問いに、母親は “私にもさっぱりわからないよ” と答える。
神の意志に反して戦場に向かう姿に反戦映画の予感がしたが、実はしっかり戦意高揚のための作品になっている。
これが大ヒットして賞を総なめにしたということろに、“自由と民主主義を守るためには戦うんだ!” というアメリカの根本的思想が見える。

そんなアメリカ人を代表する存在として、ゲイリー・クーパーはいつもどおり朴訥とした善良な役柄だ。
そして、名脇役のウォルター・ブレナンは「西部の男」「死刑執行人もまた死す」などと同じく、抜群の存在感を見せる。

一方で、ヨークの婚約者役を演じたジョーン・レスリーの可愛らしいこと!ちょうどこの頃はジュディ・ガーランドっぽい、こういうキャラが人気だったんだろう。
彼女にはもっと活躍して欲しかったなー。
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