かぴばら

シャッター アイランドのかぴばらのネタバレレビュー・内容・結末

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

見終えた途端に2周目を見始めてしまった。
結末まで見ても主観が確かでないから真相は視聴者に委ねられている感じがとても好きだった。主観がぶれている映画。

テディの治療として、彼の妄想に皆で付き合ってあげるロールプレイ療法がこの映画のメインストーリーでした、というのが公式の真相なようだ。
けれども、それにしてはノイスのようなロールプレイ療法に付き合ってはくれなさそうな患者の話もテディの妄想に沿っていたり、1人の患者の治療にしては凝りすぎていたりと腑に落ちない点もある。
それをこの映画はテディの主観なのだから、ノイスの発言もほんとに彼が言っているとは限らない、テディの幻聴かもしれない、としてしまったらテディの言う通り精神障害者の言うことなんて誰も信じないと皮肉にも認めたことになってしまう。


女性患者に話を聞いている時に彼女の持つコップが消えたシーンが謎だった。けれども、2回目に見た時に、直前のテディの夢の中でドロレスの持つ酒瓶が消えたシーンと繋がるのかなと思った。そのシーンでテディはドロレスに、君は本物かと尋ねて、彼女はいいえと答えている。テディの患者たちへの尋問も台本通りなだけで真実ではないと示唆しているのかしらね。

ラストの「どっちの方がましかな。モンスターとして生きるか、善人として死ぬか」という台詞が響いた。あれはテディの選んだ彼なりの自殺だろう。
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