カツマ

シャッター アイランドのカツマのレビュー・感想・評価

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
4.0
虚構と現実の合間に漂う幻惑の孤島。真実を追えば追うほど蜘蛛の糸のように絡まってくる過去の幻。全編にわたって無数に散りばめられた伏線が、ラストで一気に回収される本格派ミステリ作品だ。伏線の一つ一つがあまりに細かいため、それらを全て確認するためには複数回の鑑賞が必要か。
やはり推理ミステリは真相を解明しようとせずに、素直にサプライズを喰らいに行くに限る。絶対にネタバレ禁止案件であり、ラストの解決編までドキドキしながら見てほしい作品です。

連邦保安官のテディとチャックは、囚人を隔離し治療する孤島(シャッターアイランドへ)と向かっていた。脱出不可能なはずの孤島から脱走した女性患者の行方を追うため、島へと降り立った二人だが、待機していた警備員から銃を取り上げられるなど、島内は何やらピリピリとした雰囲気を漂わせる。
院長は脱走した患者に関しても深くは語ろうとはせず、テディは彼が隠し事をしていることを確信、独自の調査を開始した。そして次第に明らかになる真実。不気味にそびえる灯台では何やら実験が行われているらしく・・。

やはりマーティン・スコセッシとレオナルドの黄金コンビは盤石。細部までこだわり抜いた伏線と、それに付随する不穏なカメラワークはサラリとしているだけに気付きにくく、後半の怒涛の畳み掛けへと抜群のスピード感で突入していく。
2時間越えにも関わらずダレる時間帯が無く、脚本の巧みさがテンポの良さに繋がっている作品だ。

この手のミステリはいくつか読んだことがあるのだが、この映画はパズル要素が抜群に高いため、伏線をパズルにして嵌めていくと楽しさが倍増する。そんなミステリの醍醐味を感じつつ、真実と幻の境界線を自らの手で引いてみるのもなかなか面白いのかもしれない。
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