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シャッター アイランドのucandoitのレビュー・感想・評価

シャッター アイランド(2009年製作の映画)
4.5
不吉な音楽、おどろおどろしい奴隷船、嵐の予兆と荒れた海。
船酔いでヨレヨレの刑事デカプリオは意味不明のおでこの絆創膏姿で登場(意味がありました)。
初めて会う相棒のマーク・ラファロは常に「ボス」と呼びかける。
船着場で待ち受ける警備員はデヴィッド・フィンチャーの「ゾディアック」の容疑者の人、
そして院長のベン・キングズレー。
なんともイヤーな予感。

シャッターアイランドというその名の通り閉所でのサスペンス。
と言ってもスコセッシは最初から「デカプリオの妄想」「軍事的政治的陰謀」の二つを提示しその中で観る側を弄ぶ。
どんでん返しでなく、最初からネタバレ風で楽しませてくれます。でも色々仕掛けがあって面白いです。

デカプリオにマーク・ラファロ、ベン・キングスレー、マックス・フォン・シドー(初見)という芸達者が見せてくれます。
加えてミッシェル・ウィリアムスとエミリー・モーティマーとパトリシア・クラークソンが怪しい雰囲気を醸し出します。

効果的な音楽はザ・バンドのロビー・ロバートソン。
スコセッシ、デカプリオとのコンビは「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」と同じです。

エンターテイメントですが戦争のPTSD、精神に問題を持った人への対処(この時代はロボトミー、つまり「アルジャーノンに花束を」の世界)といった社会性もあります。

「水」がキーワードで至る所で繰り返し出てきます(それと火、マッチ)。67人目の収容患者はどこにいるのか。デカプリオが見つけたものは。
救いのない話です。