ロールプレイ治療🎬
ストーリーは精神病院に収容されていた女性の失踪をきっかけに、病院が隠す陰謀に迫る姿を描いた作品でした。
"水"
今作はテディの妄想の部分と現実に起きている部分が混ざり合って構成されています。テディの妄想なのか、現実なのかを知るために重要になってくる要素の一つが水になります。テディの妻、ドロレスが子供達を水死させたトラウマからテディは水に苦手意識を持っているのがストーリー中で分かります。そのため、船の上ではテディの具合が悪くなっていたり、患者の事情聴取では、女性患者が飲む水の入ったコップがコップごと消えるという場面がありました。テディの苦手意識が妄想を作り出し、コップの水を消してしまっていたようです。だから水が飲み干された空のコップは消えていませんでした。
"ラスト"
” Which would be worse, to live as a monster or to die as a good man?”(モンスターとして生きるべきか、善人として死ぬべきか、どっちなんだろうな)
テディは、灯台で院長と今まで相棒のチャックと思っていたシーアン医師に真実を受け入れるように説得されます。ロボトミー手術に反対している院長とシーアン医師によるロールプレイでの治療によって、テディは自身がアンドリュー・レディスであることを知りました。しかし、ラストシーンでアンドリューはシーアン医師を再びチャックと呼び、院長とシーアン医師はロボトミー手術を行う判断をします。その様子を見たアンドリューは、”善人として死ぬか、モンスターとして生きるか、どちらがマシなんだろうか”という意味深な台詞を残しました。このセリフから察するに恐らくテディは正気に戻っていると思います。その時の彼の表情を見ると穏やかですが、どこか疲れ切ったような、心はとっくに死んでしまったような感じです。そして人格を消し去ってしまうロボトミー手術を受けることで、トラウマを抱えたアンドリューは、過去の自分を忘れ、善人として死ぬことを選んだと考えられます。別人格になってまで目を背けたかった現実がダイレクトに頭に入り込んでくるというのはどれほどの苦痛なのでしょう。苦痛と向き合いながら生きていかなければならないことを拒んだ彼に薄々気が付きながらシーアン医師は彼の選択を尊重したように見えました。