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007/私を愛したスパイの3104のレビュー・感想・評価

007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)
3.8
シリーズ15周年、そして10作目のメモリアルにふさわしい一作。
前々作、前作と目鼻がなくパワーに欠ける作品が続いていたが、ムーアボンド3作目にしてようやくこれ!決定版ともいえる作品ができた。

「派手さ」と「明快さ」が今作の柱。
それはアバンタイトルのユニオンジャックのパラシュートや、水陸両用ボンドカーのエスプリなどを通して明確に提示されているといえよう。

洒落たガジェット、要塞戦、雪山のチェイス、サメ、「a Martini, Shaken, not stirred」の復活・・等々、厳しく穿った目で見れば「過去のボンド作品の焼き直し、寄せ集め」的な部分もある。
しかしそれは裏を返せばメモリアルの「総集編」であり、後からシリーズを観ようとする人への「入門編」の役割を果たしていると取ることもできる。
古き時代?のボンドで何か1作・・という方は、これ(か「ロシアより愛を込めて」から観るのもいいかもしれない。

終始置いてきぼりにならず飽きない程度の良いテンポとテンションで進む。がクライマックスのタンカー内の攻防あたりから少し大味になるのはご愛嬌。ここは「007は二度死ぬ」の要塞のシーンの大味さ(と派手さ)に似ている。
それもそのはず、両作品とも監督はルイス・ギルバート。

毎回ボンドガールや敵ボスが魅力的だが、今回はリベットで打ち付けた鋼鉄の歯を持つ大男、ジョーズが全部持って行ってしまっている。
ラスト、ジョーズ対ジョーズの対決を制した彼は爆発する基地から泳いで脱出し、次作「ムーンレイカー」にも出演することとなる。

あと忘れちゃいけない、カーリー・サイモンが歌う主題歌「Nobody Does It Better」も極上のデキ。前作までと少し趣を変えたオープニングにとてもマッチしている。