まーしー

007/私を愛したスパイのまーしーのネタバレレビュー・内容・結末

007/私を愛したスパイ(1977年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ第10作。核兵器を搭載したイギリスとソ連の原子力潜水艦2隻が消息を絶った。原因を究明すべく、英ソが手を結んだことから、ボンドもソ連の女性スパイと行動を供にする。しかし、ボンドの過去に女性スパイとの接点があることが判明する――というストーリー。

本作で特筆すべきは、敵キャラのジョーズだろう。
大柄な体に車も押し動かせる怪力、そして鎖をも嚙み砕く鋼鉄の歯。インパクトあるビジュアルに加え、建物の下敷きになったり爆破に巻き込まれたりしても蘇る姿に、ハンパない無敵感がある。

お馴染みのボンドカーにも特徴が。
それは水陸両用のボンドカーが登場したということ。おそらく当時としては最先端の技術だったのではないだろうか。

過去のシリーズ作品へのオマージュも本作の特徴の1つ。
序盤のスキーチェイスは、『女王陛下の007』を連想させる。実際、ボンドの結婚にも触れるシーンが登場するなど、同作品の後継として明確に位置づけられていた。
また、終盤の潜水艦内の戦闘シーン、海洋での組織vs組織の闘いは、『サンダーボール作戦』を彷彿とさせる。

以上のように、過去との繋がりを意識した内容だけに、MI6と対峙する国際犯罪組織スペクターが登場しなかったのは至極残念。
これまでのロジャー版ボンドはお笑い要素が多かったものの、本作は比較的、硬派な印象を持った。