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東への道のTSのレビュー・感想・評価

東への道(1920年製作の映画)
3.3
【物語は割と普通】73点
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監督:D.W.グリフィス
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ
収録時間:108分
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恋愛悲劇を得意とするグリフィス監督の作品。『散り行く花』のあとに作られた作品ですが、自分は『散り行く花』の方が断然に良かったと思います。女優は同じくリリアン・ギッシュなのですが、あの目力はあまり見れず、最後の氷水のシーンは凄惨なものでしたが期待値を超えるものではありませんでした。

田舎娘であるアンナ・ムーアは遊び人であるレノックス・サンダースンに騙され結婚して妊娠したあと離婚される。産まれてきた赤子も洗礼を受ける前に死んでしまい途方にくれるアンナであったが。。

なんというか、騙す方も騙される方もやれやれといった感じでして、男女関係ってこの時からドロドロとしていたんだなと思わされました。第一印象だけが良い人間って何たる悲しいことよ。第一印象よりそのあとの方の印象が良い人間になりたいものですね。かくして、アンナは遠方にいきバートレット家の女中となりますが、そこにいる若い息子に求婚をされます。モテる女とは辛いものですね(笑)しかしこうしてみると、男の勝手さ傲慢さも垣間見れます。当時まだまだ女性は弱い立場だったのか、今作でも『散り行く花』においても悲劇の女性が映されています。

『散り行く花』がバッドエンドだが美しい最後だったのに対して、今作はハッピーエンドかつ美しい最後でありました。しかし、前者の方が響きました。なぜならバッドエンドだからというのが一番の理由でしょう。切ないバッドエンドは大きな感動を生みます。それはハッピーエンドもそうなのですが、その感動たるや異質であると思われます。もちろん今作は十分な佳作であると思うのですが、それ程感動せず。グリフィス監督のメロドラマ傑作として名高く、興行的にも成功した作品でありますが個人的には平均的な評価に落ち着いてしまったのが正直なところです。
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