荒野の七輪

アメリカン・ヒストリーXの荒野の七輪のレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.8
白人至上主義へと傾倒する兄デレクと弟ダニーが主人公。

マチズモと右翼思想との強い結び付きを暗示する描写(鍛え上げられた裸体とハーケンクロイツの刺青を見せつけながらトレーニングするシーン)が印象的。
同じ白人であることで紐帯を保っていたはずの囚人から凌辱され、マチズモと白人至上主義の両方が一気に瓦解する場面はかなり真に迫る説得力。
ともに刑務作業をしている黒人受刑者との交流によって、有色人種に対しての偏見が薄れていく過程のシーンにしみじみ。

デレクが白人至上主義に傾倒する根源となった人物が終盤の回想シーンで明らかになるんですが、もうこれには膝から崩れ落ちたくなる程やりきれない思いでいっぱい。
そして差別構造の縮図のような結末に衝撃を受けました。
荒野の七輪

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