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アメリカン・ヒストリーXのmsのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

リーダー気質溢れる狂ったレイシストを演じるエドワード・ノートンの魅力がまずデカい。一から十まで主張はクソなのに、演説シーンの熱量に引き込まれた。兄を崇拝する幼い弟の気持ちもわかってしまう。

一度は間違った道に進み、殺人を犯し、服役を通して考え方を改めたデレク。出所後はなんだか彼が被害者のように描かれているが、実際デレクはどこも被害者ではなくて、それが観ていて遣る瀬無かった。なんなら弟が殺される原因も元を正せばデレクにあったのかもしれない。
モノクロの世界で語られるかつての悪行を見ていると、彼らに全然同情はできない。ネオナチ集団の頭悪そうな粗暴さには生理的な嫌悪感を抱く。

日本でだって、この映画で描かれているような過激さではなくても、「外国人」に対して排他的な意識は浸透してしまっていると思う。私はガイジンという言葉が本当に嫌い。

世界中でBLM運動が起こり、人種をテーマにした映画も盛んに作られている現代、日本人だから関係ないやと目をつぶり耳を塞ぎ「他人事」だと思っていいはずがないと思わされた。
20年前の作品だけど、いま観ても心に刺さる映画だった。
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