まごー

喝采のまごーのレビュー・感想・評価

喝采(1929年製作の映画)
3.7
1929年のミュージカル映画としては突出して凝った映像演出。
フィルムノワールばりの影の活用。エイゼンシュタインばりのモンタージュの多用。ヒッチコックのような不穏な長回し。とにかくカメラが雄弁に動く。音声も街角の雑踏などが効果的に使われていて、凄い。ジャンル映画的にはこれはサスペンスの手法。

一部ロケ撮影のようなシーンも。デートのシーンは出色の出来。

こんな作品は後にも先にもなく、かなり新鮮な視聴感のミュージカル映画だった。(ミュージカルシーンはひとつひとつが短くて量も多いわけではなく印象は非常に薄い)
一応、バックステージ・ミュージカル扱いにはなるとは思うんだけど、親子愛を描いた悲劇にもなってるのも意外。暗い。かなり見ごたえのある作品なのは間違いない。

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ミュージカル女優としての成功を目指し、ショーガールとして働くシングルマザー。彼女は娘には同じ道を歩んでは欲しくはないため修道院に預けることに。やがて娘は大きくなったが、娘の体目当ての男が母に近づき、母は彼と結婚してしまう。酷い義父との貧乏生活。そんな日々の中で水兵と出会い恋に落ち結婚を願うようになる。しかし、嫉妬に狂った義父は母を見捨て、娘に「お前が母を養うんだぞ」と脅す。そして、生きてる価値を失った母は自殺をはかるのだった。
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