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デ・ジャ・ヴュのricoのレビュー・感想・評価

デ・ジャ・ヴュ(1987年製作の映画)
3.5
「イェナチェという国民的英雄が城主フォン・プランタを殴殺したその斧で殺される。殺す斧と殺される斧。斧は1つで、2つある。その1つで2つの斧がぶっちがいに交差したところに、迷宮状の話中話がしだいにせりあがってくる。迷宮=ラビリントスはギリシャ語語源ではラブリス(斧)とイントス(場所を示す呼称)の結合であって、「双斧の家(ラビリントス)」であるクレタのクノッソスの迷宮宮殿には2つの斧のぶっちがいの構図の謎めいたワッペンが掲げられていたとすればこれは、まぎれもない「ある迷宮物語」だ。」
(種村季弘)

学者から鈴をもらい受けると、現実と幻覚が入り混じるようになっていく。デジャヴュはどうやら幻覚ではなく前世の自分を見ているらしい。鈴を捨てても幻覚は続いていき、調べていた殺人事件に自分も加担していくことになる、、夢なのか現実なのかハッキリとは線引きされていないものの(ラパロマより曖昧だ)謎解きのように展開していくのでストーリー自体が退屈なわけではない。山の城、氷山特急など山の風景も美しい。不可思議なラストシーンは雪山のように積もっていく緩衝材さえも美しい。
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