皿と箸

机のなかみの皿と箸のレビュー・感想・評価

机のなかみ(2006年製作の映画)
3.5
敬愛する吉田恵輔監督の初期作。

この頃から既に作家性としか言いようのないユーモアセンスと前後編+エピローグという構造的な特徴は確立していた事を知る。

モチーフ的にはあくまでラブストーリーだし、それぞれの登場人物がきっちり練られた脚本の下で関係性や文脈が反転したりするのを楽しむという意味では「さんかく」に近いのかな。

前後編のつなぎの部分は「おい、ハネケかよ」と突っ込みたくなる露骨さだけど、吉田監督の普遍的テーマである「文脈や視座が変われば解釈も変わる」というテーマを描く上で相性の良い構成なんだろう。
逆にいうとその様なフォーマットにハマる様にキャスティングして脚本を当て書きしている気さえする。

個人的にはやはり最近の作品の方が完成度や社会批評性などが高いので評価も高くなるけど、同時にアイドル作家でもあると断言出来るほど女の子を魅力的に、そしてエロく切り取る才覚は本作でもバッチリ発揮しているという点で十分楽しめた。
皿と箸

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